幼児期ほど厳しく育てなさい
独自のユニークな子育て論を多く発信している大野ママ。そのひとつが「パンティストッキング理論」だ。
パンストは、足首のあたりがきゅっと締まっていて、ふくらはぎから足のつけ根にかけて緩くなり、またお腹やウエストあたりでキツくなる造りだ。これを子育てに重ねるのだと、大野ママ。足首周辺にあたる幼児期にしっかりと厳しく育て、思春期へ進むに従って緩く、子育ての仕上げである就活期に最後の締めを!という理論である。
最近、叱らない子育てが話題になったり、放任主義を主張したりする親が増えている。だが、まだわからないことが多く、自分自身で判断することなど難しい幼児期こそ、もっとも厳しく育てるべきだと大野ママは語る。
命に関わるような危険なことはもちろん、ルール違反、人としての礼儀などは決して手を抜かず、厳しく教えること。教えれば教えただけ、スポンジのようにすべて吸収する時期だからこそ、なあなあで育ててはいけないのだ。
さらに、パンストは一箇所つまむと、周辺も一緒に持ち上がる。子育ても同様で、ひとつ天才のタネが育って能力や才能が伸びていくと、ほかのことまで底上げされてくるのだとか。幼児期は叱らず、とにかく褒めて育てよう!と思っていた人は、パンスト理論を取り入れてみてはいかがだろうか。
子どもの夢を育てる「子育て年表」を作りなさい
大野ママは、子どもの夢を叶えるために子育て年表を作るべきだと述べる。特徴的なのは、「逆算式」だということ。
叶えたい夢を設定したら、3年ごとのスパンで何をしたらよいかを年表に書き出し、ひとつずつクリアしていくというものだ。たとえば、こんな仕事をさせたい! という夢ができたら、そのためにはどこの大学に入って何を専攻させるか。高校は? 中学校は? 塾はどこに通わせる? 小学校は?というように、逆算していって細かく目標を決めていくことがコツ。
確かに到達点が定まれば、自ずとそこまでの道が見えてくる。実際、大野家は長男「東大への道」、次男「建築家への道」、三男「テニスプレーヤーへの道」を掲げ、それぞれの逆算式子育て年表を作成。途中で道を修正しつつも、しっかりと夢へ到達している。
100%真似したい!と思える子育て法などない
ほかにも、「兄弟を同じ土俵で戦わせない」「就活は戦略的家族力で」など、私自身3人子どもがいるので、参考になる内容ばかり。「子育ても戦略」などと言われると、条件反射で拒否感が出てしまう人もいるだろうが、日々ビジネスシーンでさまざまな戦略を練っているパパたちこそ、大野ママの子育て論に共感できる点が多いかもしれない。
とはいえ、なかには「いやいや、それはどうかな!」と思うものや「これは私には無理だな」という教えがあったことは事実だ。だが、それでいいのだと思う。だって、まったく同じ子育てなどありえないし、どんなに素晴らしい子育て論を掲げている人だって、100%正しい!と思えることはないのだから。
大切なのは、自分の信念をまげないこと。子どもとしっかり向き合うこと。
そのうえで、いろいろな子育て法からいいと思う部分だけ取り入れていけばいいのではないだろうか。